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最高裁判所第一小法廷 昭和25年(れ)1204号 判決 1950年11月09日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人高梨光の上告趣意一点について。

所論は、原審の裁量に属する刑の量定重きに失するというのである。されば、当法律審適法の上訴理由ではない。

同二点について。

しかし、原判決は、その法律適用に関する説明によれば、刑法二四〇条前段所定の法定刑中有期懲役刑を選択し、その法定の有期懲役刑を同法六八条三号に従い酌量減軽し、懲役三年六月以上同七年六月の刑期範囲内において被告人を懲役五年に処したものであること明白である。そして、同条号に基く減軽はその長期と短期とを各二分の一に減ずるものであるから、原判決の擬律には何等の錯誤も存しない。それ故、所論はその理由がない。

よって旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致した意見である。

(裁判長裁判官 齋藤悠輔 裁判官 沢田竹治郎 裁判官 岩松三郎)

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